顎関節症は、「あごが痛む」「口が大きく開けられない」「口を開け閉めするとあごがカクカク、ジャリジャリ音がする」などのほか、頭痛や肩こり、耳鳴りなどを引き起こすこともあります。
原因は、ストレスや歯ぎしり、食いしばりなどにより顎関節に外傷性の強い力が慢性的に加わると発症すると言われています。かみ合わせが悪かったり、抜けたまま放置している歯などがあると、さらに悪くなることがあります。
また、歯周病は細菌感染が主な原因ですが、早期接触などのかみ合わせの異常は顎関節症だけでなく歯周病を悪化させる原因にもなります。
顎関節症と歯周病は、関係していることが多くありますので、当院では、あごの状態だけでなく、かみ合わせや歯周病の評価も行い、総合的に診断、治療していきます。
治療は症状や原因に応じて、薬物療法、理学療法、スプリント療法などを行います。場合によってはいくつかの治療を組み合わせることもあります。
スプリントの効果がでにくい食いしばりなどに対しては、咬筋や側頭筋に対してボツリヌストキシンによる治療(保険適応外)が効果的な場合もあります。
虫歯が進行し歯の神経に感染がおこると、根の先にのう胞という袋状の病変ができることがあります。
歯ぐきが腫れたり、かんだ時に痛みが出たりすることで発見されることが多いですが、無症状のまま偶然レントゲン撮影や定期検診で発見されることもあります。
歯の根や骨の状態によっては抜歯が必要となる場合もありますが、根管治療(歯の根の治療)や口腔外科手術であるのう胞摘出術、歯根端切除術を行い、なるべく抜歯せずに歯の保存を図ります。
むし歯や歯周病、親知らず周囲の炎症が進行してしまうと、さらに感染が歯の根や歯ぐきから歯槽骨に広がり、あごの骨にまで及ぶことで、歯ぐきの腫れと痛みだけではなく頬やあごの腫れを伴うことがあります。
治療は原因になった歯や歯ぐきの治療(歯の根の治療や抜歯など)、や膿がたまっている場合は、切開して膿を排出します。
歯性感染症は進行すると呼吸困難や敗血症などにより命にかかわることもある怖い病気です。
点滴での抗菌薬投与が必要な場合や入院下での全身管理、全身麻酔下での手術が必要となりそうな患者さんは速やかに二次医療機関に紹介します。
歯の破折:歯の根まで破折している場合は抜歯しなくてはならない可能性がありますが、歯冠のみの破折であれば歯の根の治療やかぶせ物の治療を行うことで保存を図ります。
歯の脱臼:歯が完全に抜けてしまったり(脱臼)、抜けかかってしまった(亜脱臼)状態です。元の位置に歯を戻して固定し回復を待ちます。一度脱臼してしまっても歯や歯槽骨の状態が良ければ元の位置に戻して固定することで治療できる可能性がありますので、できるだけ早く受診することが重要です。